ベネズエラでまたデノミ 10月から100万分の1に
サンパウロ=岡田玄
経済危機と物価高騰が続く南米のベネズエラで、通貨を100万分の1に切り下げるデノミネーションが10月1日に実施される。現在の「ボリバル・ソベラノ」からゼロを六つ取って「ボリバル・デジタル」に切り替える。100万ボリバル・ソベラノが1ボリバル・デジタルになる。
同国の中央銀行が5日発表した。現在の為替レートは1米ドル=400万ボリバル・ソベラノ。中銀は計算を簡単にし、商取引をしやすくするためとしている。「デジタル」という名前になるが、紙幣は発行する。
ベネズエラの最低賃金は基礎的な食料援助を含めて月約1千万ボリバル(2・5ドル)ほどだが、首都カラカス市内では水1リットルが931万ボリバル、牛乳1リットルが676万ボリバル、500グラムのパスタが490万ボリバルで売られている。
中銀は年間インフレ率を発表していないが、同国の2020年6月から今年5月までのインフレ率は年2900%超との推計もある。3年前にも10万分の1への切り下げを行っている。自国通貨への信用は低く、実際は多くの商品が米ドルで売買されている。
ベネズエラでは故チャベス大…